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第4章 壮絶な虐めの標的は…マドンナ

「栄えある、二年狩り女子生徒第一号に選ばれたんだ。こっちも精々趣向を凝らした方法で可愛がってやるから覚悟しとけ。まぁ、俺らの『可愛がり』に、どこまで持ちこたえられるか、見ものだけどな」
達也が卑しい狐のような表情で、郁子の顎に手をかける。だが、ジャンヌダルクを自認する美少女は、肩で息を荒くしつつも美貌を乱暴に振って汚らわしい男の手から逃れると、憎き暴漢たちをキッと睨んだ。

「いいわ…あなたたちがそのつもりなら、私はどこまでも闘う。そして、どんな目に遭わされたって退学も、自殺もしないからッ！」
郁子には、また希望もあった。
「生徒会だって、いいえ、学校中の皆だって、応援団委員会を快くなんて思っていない。私があなたたちと闘えば、応援してくれる生徒だってたくさん出てくるはずよ」
うがった見方をすれば、郁子にはどこか美少女としての、そして非の打ち所のない優等生としての『驕り』があったのかもしれない。自分の存在が学友の間で、疎まれているこの常軌を逸したヤンキーたちに劣る筈がないのだと、いう…。しかし、それは甘かった。どれほど眩しい人気の女子生徒であろうと、大きな権力の前では決してそのオーラが通じるものではないことを、彼女は徐々に知ることとなる。