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第2章 主婦のススメ

揉み消しやがったのか？国が…。

そういうことになっていたのか。だからオーナーはそれに気づいて裏で調べていたわけか。なるほど、それなら全てが繋がる。

だからステージの店には官僚やら大企業のお偉いさんとか国会議員しかいなかったわけか。

議員宿舎とか国有地ならマスコミも入れない。誰にもわからないわけか。

学生らの事件って確か当時高校生だった女子生徒を連れ込んで、拉致監禁して強制性交と暴行を1ヶ月かけてなぶり殺しにしたあの凶悪事件。

あれは政治家の息子連中だったわけか。だから揉み消しやがったのか。

汚ねえ。何もかも。

俺は今、手にしているSDカードの内容の恐ろしさに身体が震えてきた。

ヤベェだろ？これ。

どうしたものか。テレビ局か？週刊誌に売っているか？

これは途轍もないスクープになるだろう。

俺も病院に行ってきた帰りだ。

今こそ、気をつけないと。

幸いにも今日は総裁選に出馬表明の初日。周りには気配がない。

そうか。だからこの日にオーナーは俺に託したのか。

俺はそのままマスコミにSDカードを持ち込んだ。

俺が持ってきたとバレないように念を押して。

匿名の投稿にしてもらった。

のちに、その事件の恐ろしい全貌が解明されて

これまでにない凄まじいスクープになった。

《オーナーはテレビを観ているだろうか》

その後、オーナーと会うことはなかった。

オーナーが病院から姿を消したからだ。

オーナーが無事でいてくれることを願う。

俺はオーナーから任されているワンルームのアパートの女達の管理とオーナーに頼まれているある女の管理とオーナーのスナックを経営している。

オーナーが戻ってきたらすぐに引き継げるように。

俺はワンルームのアパートの4号室に女を呼び出した。

4号室には沢尻エリコと書いてあるが、本名は加藤江梨子という。

オーナーの学生の頃の友人らしい。

何でもオーナーが好きだった男子と不倫関係になり、略奪した略奪愛だったらしい。

オーナーはその事を相当恨んでいた。

女の恨みは恐ろしい。学生時代の事を今だに根に持っているなんて。

オーナーの名前って確か…。

そう。

《矢井田亜希子》

そうそうそんな名前だった。

我々の世界では本名はお互いに知らせないのが当たり前。

オーナーは今頃どうしているのか？