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ROCKな彼女
第8章 He
『市原くん?』
店を出て歩いているとそんな声がした。
声のした方を向くと
可愛いらしい今時の女の子。
『やっぱ市原くんや〜。
めっちゃカッコよくなってて
びっくりした!』
彼女は馴れ馴れしく彼に話しかける
『あぁ誰かと思ったら椎名さんか』
『覚えててくれたん?嬉しい〜♪』
彼女はチラリとあたしを見ると
怪訝そうな顔をした。
『彼女…?』
『そやで』
『ふぅん?趣味変わったんや?』
どう言う意味やねん。
『そぉ?そんなつもりないけど…?』
『だってそんな派手な人毛嫌いしてたやん』
ドクンっと心臓がなった。
繋いだ手が微かに震える。
『なん?彼女は特別やねん。
そこらの奴とはちゃう。』
なんだか雲行きが怪しくなる。
『シュージ!お腹空いた!ご飯行こ?』
空気の読めない理由を付けて
とにかくこの場から
逃げ出したかった…。
あたしは彼より4つも歳上で…
派手好きで…
彼に不釣り合いなんだろう。