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第9章 Labyrinth

帰宅すると指輪のケースを並べて飾った。
彼女はニヤケながら２つの箱を見ている。

さっきまでの怒りは収まって
今は箱を眺める。

お姉さん中身は
あなたの薬指についてますよ？

そう思いながら彼女を
後ろから抱きしめる。


少し緊張したのか
力が入ったのがわかった。

『ナツ？なん緊張してんの？？』

ついこの前までやたらと強気だった彼女は
恋人になった途端何だかしおらしくなった。

『なんか…
シュージが カッコよく見えんねん』

はい？

『前は可愛いと思ってたんに
急に男らしく感じて…ドキドキすんねん』

そんな言葉を吐きながら
潤んだ瞳で僕を見上げる。

『あたしお風呂入ってくる！』

急に僕の手からすり抜けて
彼女は浴室へ行った。