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女鑑~おんなかがみ~
第13章 水揚げ
「そうか。いやらしい女や浅ましい女にはなりたくないか」と若槻は独り言のように言った。
「まあ,いいだろう。君は賢い娘だが,何もわかっていない。
で,これから,どうするんだ。
このまま,いつまで布団を被っているつもりだ。
無理やりに辱められるほうがよいのなら,それでもよいが……」

一瞬,すすり泣く声が止み,小山のようになった布団が一度だけぴくっと動いた。
若槻は,布団の端を少しだけめくった。
猫のように丸まって布団の端を掴んだままの葵が涙で濡れた目で上目遣いに見上げた。
「なんだ,待っていたのか」
若槻がそう言い当てると,「いや,怖い」と声を上げる。

「痛いのは辛抱できるんだろう。望み通りにしてやるよ。」
若槻は布団を片手で剥がして丸まったままの葵の身体を敷布団の上にどんと置いた。
「もう,お前に蹴られるのは勘弁だ。縛らせてもらうぞ」
そう言って,足を広げ,両ひざをそれぞれ手首と合わせて括った。

「いや…,怖い」か細い声が湿り気を帯びている。
若槻は,強引に開かれて露わになった小さな口に指を差し込んだ。
「う,痛,」
布団にもぐっている間に少し乾いたのか,一本の指を入れるのにもきつい抵抗を感じた。
再び顔を近づけ,小さな花芽を舌先で玩ぶ。
細い穴に今度は舌先を差し入れてやる。

花芽はあっという間に固く膨らみ,葵の細い身体が何度も弓なりに浮き上がろうとする。
「どうか,もう,終わらせてください。痛くても辛抱します。どうか,お願い…」
息も絶え絶えの声で訴えたとおもうと,縛られたままの膝ががくがくと震えている。
「ああ,いや,いやです,やめてください」
若槻はぱっと身体を離した。
「やめたぞ。これでよいのか」
葵のうるんだ眼に,一瞬,失望の色が浮かんだのを見て,若槻は確信を持った。
「わかりやすい女だ。もっと弄られたかったのだろ」
葵は無言で顔を背ける。
「痛くても辛抱すると言っているのに,なぜこれが辛抱できないんだ」
「いや,このままでは,私は…」
「心配するな。お前は生来,いやらしくて,浅ましくて淫らな女だ」
「……」
「お前は,おそらく,この店のどの女よりも,はるかに淫らで,ふしだらな女だ。
それも,無理やりに辱められたり,縛られたり,痛い目にあわされたりしたら興奮して喜ぶ,マゾヒズムといって,淫らな女のなかでも最上級の淫らだ。わかるか。」
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