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Dangerous Man
第19章 諦
とぼとぼと歩きながら帰る。
結局突き放せなかった…。
別に愛情が薄い家庭で育ったわけではない。
反抗期の俺に諭してたまには怒って。
父親だってガサツだったけど
ちゃんと俺を見てくれていた。
今だって時々連絡をくれる。
シルバーなんて似合う歳でもないのに
展示会に来てくれて買って帰ったりする。
無償の愛が、心地いい。
だから去っていく姿なんて見たくない。
俺だけを見て
こんなにお前を傷付けるけど
俺だけを愛して
最初は愛した女を示す為のタトゥも
気が付けば虚勢を張るだけの行為になって
ピアスだって耳だけではない。
普段は入れてないだけで
鼻にも、口にも、へそにも、
アイブローにも開いている。