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第24章 心

『何もかも捨てて俺のところに来い。』

彼女を風俗に突き落とし
身勝手に逃げた俺は


また彼女の自由を奪おうとする。

なのに…彼女は…

涙を流しながら俺に抱き着いて

『はい』

そう言って返事をした。

彼女の頭を撫で

『左手、出して』

そう言って彼女をまた自分の胸から離す。

彼女の手に俺の手を重ね。

そっと指輪をはめる。

以前より格段に痩せてしまった
彼女の指には少し緩い指輪。

それでも彼女は嬉しそうに
手をかざし見つめている。

＂I treAsure U＂

そう彫った文字にはAの三角部分に
ダイヤを埋め込んだ。

自分でも寒いと思う。