この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dangerous Man
第6章 縁
『なに?出張?』
呑気に問いかける。
『母親が倒れた!暫く実家帰るわ』
そう言った。
俺一人?ラッキーなんて思っていると
『もうこっちには戻ってこんと思う。
アツシどうする?』
『え?なんで?』
『多分…もう…
父親何も出来ん人やから実家住む』
言葉を濁しながら
彼女は言ったが察しはついた。
『ほな…俺も出て行くわ…』
『…ならもぅこれでお別れやね。』
そんな顔すんなよ。
俺が悪いみたいやん。
彼女と一緒に自分も荷造りをする。
静かな空間にガサガサと
荷物を詰める音だけが響く。
彼女は数週間後には家を引き払っていた。
俺は最後に彼女が支払ってくれた
1Rに引っ越した。
最後まで手間のかかる人。
そう笑ってサヨナラをした。