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Dangerous Man
第1章 音
あどけないその笑顔が
女性客を虜にしているのかも知れない。
『アホかお前!』
呆れながらも嬉しそうに彼は言った。
『えーじゃあまぁ
リクエストもあった事やし…
披露してしまおかな?』
そう言う彼に向かって興奮し、
手を挙げて喜ぶ客達。
『えー。実は僕ら、
この曲で…メジャーデビューしまっす!
聞いてください!!!』
そう言うとドラムが激しく音をたてる。
『はい前ー!』そう言って前方の客を指す。
『後ろー!』後ろの客も煽る
『そこー!』そう言って俺を指さした。
思わず手を振りあげ答える。
彼はにやりと笑うと
『跳べーっ!』
そう言って
頭を振りがながら歌い始めた。
客達は響く重低音に合わせ飛び跳ねる。
小さなライブハウスは
客達のジャンプにより揺れる。
俺はただ一緒になって暴れ回った。