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Dangerous Man
第1章 音
熱狂する客達。
頭を振って、
体を折り畳み、
拳を突き上げる。
俺はただ端で暴れ狂う客達を避けながら
静かに彼らを見ていた。
ユタカは群衆に混ざって汗を散らしながら
彼らの歌に酔いしれている。
MCが始まった。
『今日は来てくれて、本間にありがとう!』
ボーカルの彼は少し幼さの残る舌っ足らずな喋りをした。
『大阪!帰ってきたぞー!』
そう言うと客はおかえりー!と騒ぐ。
『えー…どしよかな?』
彼は肩で息をしながら
目の前の客を指さし
『お前!何か歌って欲しいのんある?』
そう言って絡む。
『新曲ー!』
そう言った彼に向かって
他のメンバーも大声で笑う。