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第6章 僕の気持ち

火曜日いつもと変わらず詳子さんはやって来た。
"詳子さん…"
いつも優しく笑顔の似合う詳子さん…僕の前ではいつも笑っている…でも、もう１つの顔があったなんて…
凛とした魅力ある大人の女性の詳子さんが…
一回り以上若い男に好きなように弄ばれている…
性の処理道具のように扱われている…
なんで？なんで昇太くんなんかにいいように…悔しいよ！！しっかりしてよ詳子さん…
「賢一くん？」「………」「何か言った？」「………」「ん？」「………」
「どうしたの？今日いつもの賢一くんじゃないよ」
「そんなことないよ」「んー……そう？ならいいけど」「詳子さん…」「何？」
僕は我慢できなかった。詳子さんの口から本当の事が聞きたかった、はっきりさせたかった。
「詳子さん、浮気したことある？」「何？いきなり…」
「教えて、浮気したことあるの？」「賢一くん、それって賢一くんの受験勉強に関係ある？」
「教えてよ」「……」「言えないの…」「なくは…ないかな」「あるって事？」「……ねぇ…私のプライベートを聞いてどうするの、賢一くんの受験に影響あるの？」
「それは過去の事？今現在？」「賢一くん、いい加減にして」「詳子さんは僕の家庭教師だよ」「そうよ、だから？プライベートは関係なくない？」「信頼関係が大事だと思うから…」「それはそうね」「詳子さんに嘘はついて欲しくないよ」「嘘？…」「だから浮気をしたのはいつの事？」「昔の話よ…ずいぶん昔」「……」
「勉強始めよ、もうすぐ受験よ」「……」「ねっ」
「木曜日…」「木曜日？」「木曜日の夕方…見たんだ」「何？何を見たの？」「木曜日の夕方だよ、詳子さん誰といた？誰の車に乗ってどこに行ったの？」
詳子さんは木曜日の自分の行動に気が付いた…顔色が変わった…
「昇太くんは僕の友達の兄貴なんだ」
「え！…」昇太くんの名前を出したことで詳子さんは明らかに動揺した。
「この前僕は詳子さんを怒らしてしまった…」「……」
「僕はもう詳子さんに迷惑を掛けないって決め、受験勉強に集中するって決めたんだ」「……」
「もう誰にも惑わされたりしない、詳子さんと勉強頑張って合格するって」「賢一くん…」
「なのに…僕は詳子さんに裏切られたんだ」
「賢一くん…それは……」
「僕は…僕は詳子さんの事が好きなんだ！好きなんだ詳子さん！誰にも渡さない！誰にも！詳子さん！！」
僕は詳子さんに抱きついた…