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香織
第2章 雨の日
『仕方ないなぁ』
僕はそう言いながらも
彼女が濡れないように
そっと抱き寄せ、彼女の家に送る。
『けんちゃん…』
『ん?』
『ウチに寄っていくよね?』
少し不安気な目をしている彼女。
『寄ってってもいいけど、どしたの?』
『…だって、雷怖いんだもん…』
弱気な彼女。
『分かったよ。僕が付いててあげるから
そんな不安そうな顔をしないで?』
そう言うとパァっと明るくなる。
嬉しそうな彼女を見てると
僕まで嬉しくなっちゃう。
彼女の住むアパートに着いた。
家に入るとほんのり甘い香りがする。
『けんちゃん、濡れちゃってる…
お風呂入ってって?』