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もっと夢を見ていたい
第5章 17 ( 2


成長期の私は心を安定させる方法が
これしか見つからなかった。

『…なら俺も増やそうかな』

そう言って彼は隣に座って耳を撫でた。

『拡張してんのにどうすんの?』

『開けるとこなんて耳たぶ意外にも
あるやろ?』

そう言って耳の上部分を指した。

『…えー私も開けたい…』

『今開けたやんけ』

『閉じる』

『おい!』

自然な会話で安心させてくれた。

彼が休みの日、二人でピアッサーを
買いに行った。

流石に軟骨に安全ピンを刺すのは怖い
硬そうやし、貫通させられる気がしない。

彼はピアス売り場に行くと
カゴにどんどん入れていく。

『…そんなにいる?』

『いっぱい開ける』

彼もまた不安定な心を
安定させたのかもしれない。
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