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もっと夢を見ていたい
第6章 18
それでもそんな秘密の関係は
慣れていき人は弛緩する
彼との密会を終え帰宅する。
玄関で靴を脱いでいると
『…結』
そう呼ばれた。
『なぁに?』
返事をしてサトシの元へ行く。
『お前…時々夜遅いけど何してんの?』
『…友達とカラオケ』
『…ふぅん』
彼はそう言うとケータイの画面を
見せてきた。
そこには腕を組んでホテルから
出てくる私と彼の動画。
どのタイミングで撮ったんだ?
『これお前やんな?』
彼の目は据わっている。
『だって左手首に入れ墨あるもんな』
アップにされている女は
髪をかきあげる。
その手首には黒いハート
文字らしきものと羽根らしきものも見えた。