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第11章 失敗した…

だから私がなんなんだ！？


「何のつもりやねん！」

「何のって…、お前が…、そのつもりなんかと勘違いしただけや。」

「どうやったら勘違いすんねん！？」

「キスされたら…、するやろ？」


固まった。

キス？


「キス？」

「して来た。」

「誰が？」

「お前が…。」

「誰に？」

「俺に…。」


全く記憶に御座いません。


「それは…、ないわ…。」

「いや…、ある…。」

「絶対に嘘やっ！？」


今度は私が焦りパニックになる。


「認めたくないものだな…、若さゆえの過ちというやつを…。」


どっかで聞いたようなセリフを悠真が言う。


「ふざけんな！」

「ふざけてないぞ。まあ…、お前がそのつもりならば久しぶりやし、やらせて貰おうかなってな。」


変態悠真が完全に自分を取り戻して居直ってる。


「悪いが…、セフレとかお断りや。」

「わかっとる。けど…、お前…、可愛いかったぞ。」


そんな褒め言葉は要らん！


「なあ、悠真。好きな女の子の事とか考えた事はないんか？」


もしかしたらと期待した。

悠真が私を好きなのだとすれば私も努力してやろうかとか考える。

なのに…。

悠真が切ない顔をする。


「来夢は可愛いし家族で大事やとは思う。けど…、愛してるとかいう気持ちはない。それは、どの女を抱いても感じた事がないねん。多分、俺って人間には愛情って奴が欠落しとるんやと思う。」


だから私がそのつもりならば有り難く抱きたいとは思ったらしい。

それは私を好きだとか愛してるという恋愛感情は存在せず、ただの快楽の為の性行為だと悠真が言う。


「だから来夢が失神するまで気持ち良くなりたかったら朝まで努力したるぞ。」


笑いで誤魔化そうとする悠真が居た。