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ハプニングは突然に【完】
第5章 ハプニングは突然に
「君が現れてから、僕から見える景色は色付いてキラキラして見えるようになった。そして、日に日に美しくなっていくゆりをみて、僕も頑張ろうと思えることも増えた。」

新堂さんは私の顔を優しく包み込むようにして私をみた。


「新堂さん…。」

そして、今までみたことがないくらい優しい眼差しで


「ゆり、愛してるよ。」と囁いた。



その言葉を聞いた途端、私の見える景色が数段色鮮やかに輝き始めた。
全身の細胞がその初めての感動を味わうかのように、ざわざわと活動しているのを感じる。


「あ、愛してるなんて・・・、生まれて初めて言われました。」
と、目を見開いていると

「僕も初めて言ったよ。」

と、優しく微笑む。


それは、小さな頃から私のことを見守り愛してくれた両親と同じ眼差しだった。


「ゆり、大丈夫?」


と、言われてそのときに自分が泣いていることに気付いた。


「あれ?どうしたんだろう。涙が勝手に・・・。」


涙が溢れて止まらない。



すると、新堂さんは瞼に優しく触れるようにキスをした。


「愛を囁く、早速実行したかいがあるね。」


と、意地悪な顔をして笑う。


「もうっ!人生で一番キュンキュンしました!!そんなこと言われたら許しちゃいますよ。」


「ハハ、やったな。」


そんな色んな顔を見せてくれる新堂さんにキューンと胸が高鳴る。


「ずっと、ずっとそばにいてくれますよね?悲しいときや、辛いときや、お互いのことが嫌になる日もあるかもしれないけど、それでもそばにいてくれますか?」


と、うるうるした瞳で彼を見つめると



新堂さんは、口をギュット結んで違う方向を向く



え?っと、驚いてると



「本当は、ゆりの心がゆっくりと解れて、癒えていくのを待つつもりだったんだけど…めちゃくちゃ抱きたい。ズルいよその顔は。」

と、耳を赤くしている。



照れてる…!!


「俺の方こそ、今回みたいにゆりをがっかりさせてしまうこと沢山出てくると思う。それでも、一緒にいてくれるの?」


少し不安そうに顔色を伺うようにこちらを見る。


何を言ってるんだろうか。


当たり前なのに…



「もちろんです。ずっと、一緒にいます。」





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