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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第3章 ゴールデンウィーク。旅行二日目
 その間に防犯カメラの映像が切り替わる。

 愛里達が泊るコテージのすぐ近くに建てられた四阿(あずまや)だ。川の方に開き、その他の三方向は木製のベンチが並んでいる。そのベンチの背もたれの高さの壁と四隅から伸びた柱に支えられた屋根があるだけの簡素な建物だ。

 元々、この辺りは自然公園だった。しかし過疎化が進みずっと放置されてきた。そこに新堂が手を加えキャンプ場に作り替えた。

 愛里達が泊っているコテージもその当時から残る建物を改装したものだし、四阿もその当時のまま残してある。特に理由はないのだが、撤去するにも金がかかる。
 もし改装したコテージに人がよく泊るようなら、この四阿も綺麗にすれば何がしかの役には立つかもしれない。

 それだけの理由で取り壊されずに残っている、前の時代の忘れ物のような建物。
 防犯カメラを据えるにはちょうどいいところにあったので、まあ理由が全くないわけでもないのだが。

 さて、そろそろ動画を探すか。そう思った時、新堂のスマホが鳴った。事務所からだった。
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