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魔法使いで紳士なヴァンパイア
第5章 まだまだ若い
『……っ!』
涙をポロポロ流し始める彼女。
『ごめん。泣くなや』
慌てた俺は泣き止む方法を探した。
頭をポンポンしてみる。
『………ぅうっ』
あかん!
涙を指で拭ってみる。
『……う〜〜っ!』
やーん!もう面倒臭い!
彼女を抱き締め頭を撫でる。
『ごめん。傷付ける気はなかってん』
グズグズと泣く彼女を
必死で落ち着かせようとする。
『……その時計の…人?』
腕の中からか細い声で訊ねてきた。
『え?…ああ…うん。』
貰ってから付けっぱなしの腕時計。
『………そっか…。』
スンスンと鼻を啜り始めた彼女を
そっと胸から離す。
『レイナ…大丈夫か?』
原因は俺だけど。