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第9章 ９

　しかしながら、由里絵の“涙声”の哀訴も、この「お遊戯」を実行しようとする洋平の決意は変えられないようだった。

「でも、由里絵ちゃんは『スケベな女の子になりたい』んでしょ…？」

「それは……そ、それは、その……」

　由里絵は返す言葉を見付けられない。

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　確かに、しばらく前に、由里絵は――「スケベな女の子になりたい」などと宣った。

　でも――今になって思うと――あの時は、ちょっと「調子にのっていた」。

　キスと一緒に乳首の愛撫も欲しいがためだけに、軽い気持ちで洋平に“迎合”してみただけだった。

　だからといって、今更「あれは嘘だった」などと言うのも、“興”が削がれるようで気が引けた。

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　結局――一時の「快楽」のために、大仰なことを口にした浅薄な自分を悔やみながら――由里絵は、洋平の“お遊戯”に付き合うより他なかった。