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第1章 １

　だが――叔母夫婦には、心から感謝する一方で――両親がいない一抹の寂しさが、由里絵の性格に“薄い影”を落としていることも、由里絵は認めざるを得なかった。

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　その“薄い影”の具体的な表れとして、幼い頃から、由里絵は内向的な性格だった。

　友人と一緒にいる時は、“話し手”よりも専ら“聞き手”に回る種類の少女だった。

　加えて、人一倍羞恥心が強い「恥ずかしがり屋」で、人前で目立つようなことをするのは苦手な質だった。

　要するに――小学校から高校生まで、一貫して――よく言うところの「クラスでも目立たない存在」の典型だった訳だ。

　それにもかかわらず、目下、由里絵は「ヌードモデル」などという、およそ自分には向いていないアルバイトに励んでいる。

　その理由は、由里絵の“彼氏”にあった。