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逆転 (大人の教育をしてやるよ!)
第3章 ソノあと


ーコツコツ…

「でさぁ~…」

ーコツコツ…

「おいっ!待てよぉっ…!」

「おいこれ見ろよっ!マジヤベェって!」

「…ッ!?」


後ろから聞こえる男子生徒の言葉に思わず反応して立ち止まり、手を後ろに回しお尻を抑える。

チラッと後ろを見ると、男子生徒達が2~3人スマホを観て歩きながら大笑いしていた。

その様子を見た紅葉はホッと胸を撫で下ろし、再び歩きはじめる。


お昼休みなので、生徒や教師で廊下は賑やかだった。

ちょっとした話し声にも反応してしまう。

紅葉は慎重に小幅で歩き、職員室に向かう。


「あっ!安比奈先生。」

「…ッ!!?」

低い男性の声で呼ばれたので、紅葉は背筋をピンッと立ち固まる。

「ハッハイッ!!な…なんでしょうか!?」

後ろを向くと若林が出席名簿とバインダーを持って立っていた。

「安比奈先生、どうでした?初の授業は?」

若林は紅葉に近づき、ニコッと爽やかな笑顔で話してきた。

「あ~えーと…まだなんとも……」

紅葉は下を向き、身体をもじもじさせて答える。

「ハハハ、まぁ初日ですしあまり固くならないで、ゆっくりやって行けばいいんですよ。」

「ハイ…ありがとうございます。」


話はこれで終わって欲しい。
早く職員室の中に入ってお弁当取りにいきたい!


紅葉は目の前にある職員室のプラカードを、チラチラ見ながら若林の話を聞いていた。


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