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いつかの春に君と 〜 番外編 アンソロジー集〜
第2章 愛のバルカローレ
「…んんっ…は…ああ…」
「和葉…!…ごめん…!」
慌てて己れの性器をその唇から抜き出すと、和葉は白い喉を嚥下させ…唇の横に滴る白い樹液を紅い舌を伸ばし、淫らに舐め取った。
「…たくさん出たね…」
婉然と微笑むその色香が匂い立つ貌は、士官学校始まって以来の美貌の貴公子と賞賛される青年と同一人物とはとても思えないほどだ。

抑えきれない欲情の波が再び伊織を襲う。
放ったばかりなのに、少しも収まらない欲望の炎が燃え盛る。
無言で和葉の白い身体を押し倒し、下肢を押し開く。
「…ここに…挿れたい…」
肉付きの薄い白い双丘の狭間…鴇色の慎ましやかな花蕾に指を伸ばす。
…ここで、繋がりたい…深く…誰よりも深く…。

和葉は伊織の首筋に腕を絡め、囁いた。
「…いいよ。…僕も…欲しい…伊織が…欲しい…。
…ここに…」

そうして、片手の指を伊織のそれに絡める。
…でも、少し馴らさなきゃ…。
湿度の高いむせ返るような香気を含んだ蓮の花のように、微笑った…。
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