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第2章 愛のバルカローレ

…その夜、二人はお互いの身体を確かめ合うように…そして何より思いやるように、じっくりと優しさを込めて愛し合った。
心が通じ合っている安堵感から得る快楽は、温かな泉のように湧き上がり、止め処なく二人を満たした。

和葉の身体は伊織の優しく、かつ濃厚な愛撫に柔らかく解け、しなやかに彼を受け入れた。
その媚肉は、伊織をきつく締め付け絡めとり…若い牡はともすれば直ぐに達してしまいそうになった。
伊織は凛々しい眉を顰め快楽をやり過ごし、和葉の肉を激しく穿つ。
「…ああ…っ…そんな…深…い…！」
白い細身の身体を仰け反らせ、乱れる和葉は見惚れるほどに美しく、その薄紅色の唇を貪らずにはいられない。
「…愛している…和葉…！」
愛の言葉を囁くと、まるで和葉を食んでしまいそうに口内を濃密に蹂躙し、口唇を奪ったまま和葉の身体の奥深くに精を放った。
「…っ…！…」
伊織の低い呻き声と共に、肉筒の奥底に熱い飛沫を大量に浴びせかけられ、和葉は身体を細かく震わせ…同時に達した。
「…ああっ…！熱い…っ…！」
牡液を放ったのちも、伊織は間断なく律動を繰り返し、いつまでも繋がりを解こうとはしなかった。
…さながら和葉の身体の隅々まで、己れの痕跡を残そうとするかのように…。

その漣のような悦楽に、和葉の性器からは涙のような愛の雫が滴り落ちる。
「…ああ…も…おかしく…なる…」
和葉は体内で達した快楽のみで、吐精をした。
続け様の快美感に、繊細な和葉の身体は打ち震え、意識を手放しかける。

「…おかしくなれ…。
俺の腕の中で…もっと乱れてくれ…乱れるお前は、綺麗だ…」
体内の伊織の牡が再び、硬く兆してゆくのを和葉は恍惚としながら受け入れつつも、その意識は次第に甘く温い快楽の沼の淵へと落ちてゆくのだった。