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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第9章  決別の決心


 嬉しいことだが、態度はおかしいまま。
「何か、あったの?」
 不安が過る。
「部長に、誘われる時も、あったから……。誰も、指名を、しなかったから……。そのうち、店の子に、同伴やアフターに、誘われて……」
「行ったの?」
 声が震えるのを、隠しながら行った。
「行ってないよ!」
 和哉が、珍しく声を荒げる。
 それは、疚(やま)しいことがあるからかもしれない。だが私は、5年も彼を放って置いた。何があっても、文句を言う権利は無い。
「店で、酔った、女の子に、聞いたんだ……。ここは、特別な、店だって……」
「特、別?」
「ああ……。同伴か、アフターをしたら、女の子を、買えるって……。そうしないと、稼げないし、殆どが、18歳未満だって、ことも……」
 和哉の溜息を聞き、私は何も言えなくなってしまう。
 全て、知られていた。
 以前私からラブホに連れ込んだ理由にも、気付いているはずだ。
「18歳未満だったけど、梨香は、違うよね? そんなこと、してないよね? それが嫌で、長く、身を隠して、たんだよね?」
 何も、答えられない。
 彼が隣に座って来て、私の両肩を掴む。
「どうして、黙ってるの? そうだって、言ってくれよ……。嘘でも、いいから……」
 俯いた和哉が、泣いている。苦しんだのは、私だけではなかった。待っていてくれた彼をも、苦しませてしまった。
「なあ、梨香……」
「うん……。私は、そんなこと、して、ないよ……」
 和哉に、強く抱きしめられる。私は、ギュっと目を瞑った。


 無言のまま少し呑んだ後、2階へ行く。
 自分の部屋で寝ようとドアを開けたが、彼に手を引かれて同じベッドへ入った。
 私は自然に、彼に背中を向けてしまう。
 和哉はさっき、「嘘でもいいから」と言っていた。それは、私も同じだったと気付いているから。
 幸せだった日々が、ここで終わってしまうのだろうか。だがそれは、自分のせい。いくら悔やんでも、やはり過去は消えない。
 エアコンの効いた部屋で、突然背中に温もりを感じる。
「梨香……」
 無理矢理和哉の方を向かされ、乱暴にパジャマを脱がされた。
「ヤ……」
 こんな彼は初めて。
 下着も脱がされ、私は仰向けのまま力を抜いた。


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