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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第10章 辿り着いた場所
「そうかい。おめでとう。個室の方が、いいよね? おい、空いてるか?」
「はいっ。こちらですっ」
変わらない活気。
店員に案内され、奥の個室へ落ち着いた。
「ここで、良かった、かな……。前に来た時、梨香、楽しそうだったから……」
「うん!」
この5年は、外にさえ出られない生活。和哉の家へ来てからも、居酒屋には行っていない。
あの頃に来た店だが、もう昔のことは思い出さなかった。彼とここに来たこと以外。
もしかしたら和哉も、あの時からやり直すために、連れて来たのかもしれない。
レモンハイとハイボールで乾杯。今日は初めから氷抜き。
つまみも色々と頼み、楽しい会話が続く。
「そう言えば、和哉の誕生日はいつ?」
今まで聞いていなかった。
「ん……。1月、1日……」
「それって、何か、凄くない?」
酔いも手伝って、笑ってしまう。
「おせち作って、ケーキも用意しなくちゃね」
「おせちなんて、作れるの?」
そう言われると、まだ自信はないが。
「そのうち、作れるようになるもん」
今は和哉と同じ会社のスマホに替え、タブレットとWi-Fiも付けた。だから画面を見ながら、料理をしている。
「じゃあ、楽しみに、してるよ……」
「うんっ」
楽しい時間。
お互いにたくさん飲み喰いして、大将に挨拶をしてから家へ戻った。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
楽しいまま帰ったせいか、シャワーを浴びてバスローブのまま家でも少し呑むことに。
和哉に寄りかかり、途中で借りてきた洋画のDVDを観る。
彼は英語も堪能らしい。字幕だが、和哉は英語の音声だけ聞いているよう。たまに字幕と違う台詞だと、詳しく教えてくれる。
訊いてみると、国立大卒だと言う。そうでなければ、あんな大会社に採用されないだろう。
もう夜中。明日の出勤は大丈夫かと言うと、土日も含めて5連休を取ってきたという。
「新婚旅行の、代わりだよ……」
確かに、新婚旅行へ行くならそれくらい必要だろう。
入籍は、部長にも報告してあるそうだ。
「ねぇ、和哉……。そろそろ、寝よう?」
「そう、だね……」
テーブルの上はそのままで、寝室へ行った。
勿論、このまま眠る気は無い。
「和哉……」
軽いキスが、段々と深くなる。
「んんっ……。はぁっ……」
舌を絡め合う音。