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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第2章 裏の世界
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
「いらっしゃいませー」
車を降りてからは客と並び、何事もなかったように店に入る。
「着替えてくるから、少し待っててね?」
「ああ」
客が黒服に案内されて行き、私は更衣室へ。
この店のみんなが、客とセックスしている。そう言われたのを思い出した。
麗華も、明菜も、他の子も、そうなのだろうか? 信じられない気持ちもあったが、嘘でも構わない。
セックスが金になると知った今、ある程度金を貯めて、本当の18歳になったら他の店へ移ればいいだけ。
「おはようごさいます」
更衣室にいた友里(ゆり)に、挨拶をする。
「梨香ちゃんも、同伴?」
「はい」
「疲れたでしょ? 同伴でタイムカード押したら、少し休んでていいんだよ?」
その言葉で、ここがセックスの出来る店だと実感した。
「ねぇ。梨香ちゃんて、18歳じゃないよねぇ?」
訊かれて、着替える手が止まってしまう。
「大丈夫。私は17だから。入ったのは16。梨香ちゃんは?」
「15です」
「やっぱりねぇ。雇ってもらえるの、この店くらいじゃん? 支配人は、気付いてるけど」
友里も客の前では、もっと丁寧な話し方をする。
やはりこの店は、いわゆる“ヤバイ店”なのだろう。だがそのお蔭で、私は働けている。ありがたいと思うしかない。
「吸う?」
友里が煙草を1本咥え、箱を差し出してきた。
「いえ」
酒は呑むが、煙草は元々吸わない。
「そう」
友里は煙草に火を着け、煙をくゆらせる。
更衣室は、禁煙になっていない。
「客の前じゃ、吸わないからさぁ。別に、吸っても構わないんだけどねぇ」
確かに吸っている人もいるが、それぞれのキャラ作りがあるのだろう。少しして携帯灰皿で煙草を消すと、「お先にっ」と言って友里は出て行った。
客が言っていたことは、本当なんだ。
18歳未満を雇うのは、他では働けないからだろう。若さとセックスを売りにしているから、店はいつも繁盛している。
私はゆっくりと着替え、更衣室を出た。
「梨香さん。同伴のお客様の他にも、指名が入ってますよ」
黒服に言われる。
「先に、同伴の方に着いてください」
「はい」
他にも指名。その客も、セックスが目当てなのだろう。そう考えながら、客席へ向かった。