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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第2章  裏の世界


 この客は、よく通ってくれる。私にとっては、大事な指名元。放したくはないが、毎回こんなセックスはしたくない。
「シャワー、浴びてきて、いい?」
「そうだね。俺ので、可愛い顔が汚れちゃったからね」
 許しを得て、バスルームへ向かう。
 叫びたいくらいの気持ちだったが、バスルームはガラス張りで丸見え。出来るだけ冷静を保って全てを洗い流した。
 顔射なら、経験がある。だが拘束やバイブは初めて。それに客は挿入していない。いやらしい格好で悦がるのを見るのが、趣味なのだろう。
 手首には、薄く拘束の跡。何度洗っても、勿論消えない。
 諦めるしかなく服に着替えてベッドへ戻ると、置いてあった10万円を渡される。
 これが、今夜の代償。
 私の気持ち的には、安すぎる。だが私達は、それくらいの存在なのだろう。
 文句も言わず、無言のままラブホを出る。


 ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆


 昨夜は、タクシーで寮の前まで送ってくれた。
 何も言わなかったのに寮の前でタクシーを停めたのは、場所を知っているからだろう。他の子を、送ったことがあるのかもしれない。
 寮はオートロック。だから知られていても問題はない。
 昨夜はつらかった。
 これからはラブホの部屋を客に選ばせず、自分で決めてしまう方がいいだろう。
 昨夜の代償は10万円だったが、私とは初めてだったからかもしれない。殆どの客が、寝る度に金額を下げてくる。
 たった2,3万では、あんな奉仕はしたくない。あの客を切ろうか、悩む所。
 化粧も落とさず服のまま5時前に寝たのに、12時過ぎに起きた今も体がだるい。
 それは、昨夜の客のせいだけではないだろう。数日と空けずに、違う客とのセックス。今日も明日も、同伴の予定が入っている。
 もっと寝ていたかったが、新しいドレスなどを買いに行かなければならない。
 手首の跡は殆ど解らなくなっていたが、少しだけ、足首の跡が気になる。私が悦がって激しく動いたせいだが、外や店では出来るだけ隠したい。同伴のセックスで裸になれば、見られてしまうけれど。
 取り敢えず普段着に靴下を穿き、買い物へ出かけた。


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