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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第2章  裏の世界


 引っ越しの時持って来た数千円の服ばかりが入ったバッグは、そのままクローゼットの奥にしまいっ放し。
 約束の時間が近付き、急いで寮を出た。
 客とタクシーに乗り、近場のライトなフレンチの店へ。
 ライトと言ってもコースで頼めば、ワインも含めて2人で3万はかかるだろう。タクシー代やその後のセックスのチップと同伴を含めたら、軽く10万以上を使わせることになる。
 そこまでして、セックスがしたいのだろか。
 それなら、セックス専門の店へ行けばいいのに。そう思ってしまう。
 そういった店なら数万もあれば出来ると、元彼の読む雑誌に載っていた。
 金持ちの思考はまだ理解出来ないが、男というのはつらい生き物。儲けられる、女に生まれてきて良かった。
 食事を終えると、当たり前のようにラブホへ。勿論私も、普通のセックスなら抵抗はしない。
 昨夜の教訓を踏まえ、自分から「この部屋がいい」と言って選んだ。
 パネルの上の方には、SMルームというのもある。ラブホは違うが、昨夜はそんな部屋を選ばれたのだろう。
 ゆっくり食事をしたせいで、出勤のリミットまで2時間ほどしか無い。
 髪を濡らさないようにザッとシャワーを浴び、元の服に着替えた。
 客は何度もこの服を「可愛い」「似合う」と言っていたから、脱がせてあげる方がいいだろう。
 後からシャワーを浴びた客が、すぐ私のいるベッドへ載って来る。
「可愛いから、そのまましちゃおうかなあ……」
 そう言ってから押し倒され、ワンピースの前ボタンだけを開けられた。シャワーの後だから、ブラも下着も付けていない。
 乳房だけを出し、客が愛撫を始める。
「はぁっ、んっ」
 乳首をしゃぶられ、口内で舌が動く。
 着衣だが、こんな普通のセックスなら楽だと思ってしまう。それは、昨夜の体験のせいかもしれない。
 あの客とは、2度とやりたくないと思った。他にも同伴やアフターが入るのだから、切ってもいいだろう。大きな痛手にはならない。そう決めた。
 スカートをめくっただけでの挿入。
「あぁんっ」
 それくらいなら、何の問題も無い。


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