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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第2章  裏の世界


 喘いで男性器を締め付け、出来るだけ早く客をイかせるようにする。私はまだだったが、イった演技。
 それだけで、一仕事終わり。
 客は、演技に全く気付いていない。「悦かった?」などと言い、嬉しそうだ。
 セックスをさせて、喜ばせるのが目的。それなら、演技でも悦かった振りをしてあげればいい。それで客は満足する。また指名に繋がるだろう。
 3万円を受け取り、一緒に店へと向かった。
 その途中で、「その服で、店に出て欲しいなあ」と言われる。
 確かにこの服なら、可愛らしいだろう。店に着いて支配人に相談すると、そのままの格好で出るのをOKされた。せっかく持って来た新しいドレスを、そのまま更衣室の私の場所へ掛けて置く。
 更衣室で休んでいると、麗華が入って来た。
「梨香ちゃん、おはよう」
「おはようございます」
 麗華を見ると、昨夜のことが蘇る。2度とあんなセックスは嫌だと、また考えた。
「ねぇ。梨香ちゃんも、もう、同伴とかアフター、してるんでしょう? それなら、お願いがあるんだけど……」
 隣の丸椅子に座った麗華が、少し首を傾げる。
 こんなに近くで見ると、麗華も意外と若いのかもしれない。初めて会った時のドレス姿が印象的で、大人っぽいイメージのままだったせい。
「お願いって、何ですか?」
「ん。私のお客さん達がね。梨香ちゃんのこと、可愛いって。気に入ったらしいの」
 ここではある意味、客の奪い合い。そんなことを言うなど、不思議だった。やはり、麗華は優しくていい人。
「えっと……」
 だが、どう答えればいいのか、解らない。
「だからね……。あっ、芹香(せりか)、おはよう」
 芹香が入って来て、話はそこまで。
「おはようございます」
「2人とも、おはよー」
 何も知らずに芹香はニコニコしているが、麗華の話は、私以外に聞かれたくない様子。
「じゃあ、お先にね」
 そう言うと、何事もなかったように麗華は出て行ってしまった。
 麗華の話の続きが気になる。女の子にも聞かれたくないのなら、客席で訊くのも無理だろう。
 芹香に挨拶をしてから、モヤモヤした思いで私も指名客の席へ行った。


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