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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第3章 変わりゆく景色
細身の客から渡されたのは小さめの袋だったが、やはり高級ブランドのもの。中身はピアスとネックレスのセット。
またお礼を言ってフロントへ預けに行き、すぐに戻った。
シャンパンタワーやら高価なプレゼントやら。この人達は、いったいどれくらい金持ちなのだろう。
特に太めの客に気に入られているから、結婚すれば優雅な生活が出来るかもしれない。だが世間では、釣った魚にエサはやらないと言われている。
それでも、生活費に困ることはないだろう。
ここで、金持ちに気に入られて結婚するのもいい。私は今日から、法律上結婚出来る年齢だ。
他の誰と浮気しようと、問題を起こさなければ構わない。金のある、安定した生活。それだけが望みだから。
「梨香さんを、お借りします」
「ごめんなさい。また、すぐ来ますね」
「大丈夫だよ」
太めの男に言われて、別の指名の席へ行った。
着いたのは、初めて指名をもらった、優しげな客の席。留守電にメッセージを残せただけだから、あまり期待していなかったのに。
「あっ、来てくれたんですね。失礼します」
今日は、以前もいた客と2人で来ていた。
私が気付いたのが解ったらしく、優しげな男はニコニコしている。もう1人の客には、明菜が着いていた。前もそうだったから、明菜がお気に入りなのだろう。
私が優しげな客の隣に座ると、すぐ紙袋を渡された。
「誕生日おめでとう。気に入ってもらえるか、解らないけど……」
やはり、高級ブランドのバッグ。
「わぁ、素敵。ありがとうございます」
「良かった……。女性への、プレゼントは、初めてで……」
嘘でも、彼らしい言葉。
もう1人からもらったのは、ブレスレット。勿論それも、高級ブランドの物。明菜と一緒に選んだと言っていた。
またフロントへ行って預ける。
預ける度にボールペンを借り、客の名前を付箋で貼っておくのも忘れない。今後その客との同伴が入ったら、身に着けて行った方が喜ばれる。
それはさっき麗華に聞き、付箋までくれた。
席へ戻ると、高いシャンパンを頼んでくれる。
「ごめんね……。シャンパンタワー、用意しなくて……」
「そんなこと。来てくれただけで、嬉しいです」