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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第1章 学生からの旅立ち
「こっちに来て?」
客が座る店内へ。背の高い半円状のボックス席が、15席ある。そこへ促され、男がメモ帳を持って向かいに座った。
「こういう仕事は初めて?」
「はい」
「君、いくつ?」
私はまだ15歳。本当のことを言えば、こういった店では働けない。
「18です」
「随分、幼く見えるね」
ドキリとした。
証明書は、保険証だけ。生年月日から、15歳だということがバレてしまう。
「時給は、最初2千円から。それプラス、売り上げの5%と指名料。時給は、売上によって上がるからね。可愛いから雇いたいけど、いつから来れる? 今日、体験していく?」
「はい。お願いします。あの……。寮があるって、募集で見たんですけど」
「ああ。寮なら空いてるよ」
ホッとした。これで、先輩の家を出られる。
「開店まで時間があるし、寮を見に行こうか」
「はい」
年齢の確認が無くて良かった。18歳の生年月日と干支も調べて憶えてきたが、これから先に役立つだろう。
契約書に記名と拇印を押し、写しを受け取る。住所は、先輩のマンションにしておいた。バイトするのに、先輩が保証人になってくれると言っていたし。
案内された寮は店から近く、広くて綺麗なワンルーム。生活用品は全て揃っていて、ベッドまであった。すぐにでも、生活出来る。光熱費込みで、家賃は月8万円。敷金礼金もなし。これだけ揃って繁華街なのに安いのは、店の女の子専用のためと聞く。
「ここでいい?」
「お願いします」
「20時になったら、また店に来て? 俺達は、開店準備があるから」
笑顔で返事をし、少し話してから男と別れてファミレスへ行った。ドリンクバーだけで3時間程を潰し、時間通りに店へ行く。
男に、1週間働けばバンスが出来ると聞いた。バンスというのは、店からの借金。それは、1週間働いてから考えればいいだろう。
稼いで、いつかは1人暮らしがしたい。
そう考えながら、再び店へ行った。
入口の電飾も煌びやかだったが、店内はそれ以上。
さっきは点いていなかったシャンデリアにも明りが灯り、より店内が豪華に見える。