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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第4章 不思議な感情
それにしては、随分とゆっくりとしていた。ここから店までの時間を考えると、早くしなければラブホでの時間がなくなってしまう。
デザートとコーヒーが運ばれて来て、また、嬉しそうに食べた。本当に美味しい杏仁豆腐。
「ごちそうさまでした」
会計も済み、中華街をのんびりと散策する。それは、私が中華街は初めてだと言ったせいかもしれない。
時間も忘れて、土産屋などで見入っていた。
「梨香ちゃん。そろそろ、行かないと……」
そうだ。ラブホ。
食事だけをして、そのまま同伴するわけにはいかない。遅くなると道が混むから、店の近くのラブホにした方がいいだろう。
大通りまで出て、タクシーを拾う。
高速は渋滞で、夏場なのに日が暮れて行く。
「ごめんなさい。私が、色々見たいって、言ったせいで……」
「それは構わないし、多分、間に合うと思うよ。ねえ、運転手さん」
タクシードライバーも、20時前には目的地に着けるはずだと告げてくる。
それなら、ギリギリセックスが出来るだろう。店には、22時までに入ればいいから。少しくらいの遅刻なら、ラブホから支配人に連絡しておけばいい。
やっと高速を降り、下道を走り出す。ここからなら、私にも道が解る。と思った所まで来ると、瀧澤は身を乗り出してタクシードライバーに話しかけた。
「運転手さん。この先の大通りを、右折してください」
そっちは、店と逆の方向。行きたいラブホが、決まっているのだろうか。
これで、遅刻決定。
だが時間を余計に使ったのは、本当に私のせい。付き合わないと悪い。
「その先で、1度停めてください。1人乗りますから」
もう1人?
複数でのプレイなど、2度としたくないのに。それに、1人より時間かがかかってしまう。
道端に、スーツ姿の青年が立っていた。瀧澤より、大分若いだろう。
「悪かったね。遅くなって。乗って?」
「はい。失礼します」
私も笑顔を見せたが、内心はがっかり。瀧澤が、複数プレイを好む人だったなんて。
最初の優しげな印象で、勝手に美化しすぎていたのだろう。
相手は男。内心どんなことを考えているかなんて、ある程度しか解らない。