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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第4章 不思議な感情
部屋に入り、中の物を出したバッグを、元の専用袋に入れてクローゼットへ。
これは、瀧澤からの誕生日プレゼント。
彼は、どんな思いでこのバッグを選んでくれたのだろう。
女の子へのプレゼントは初めてだと言っていたが、その時は、ごまかしているだけだと思った。だが今日の様子を見ていると、本当だと思えてしまう。
初めての女の子へのプレゼントが、私のような子だなんて。逆に、瀧澤に悪いと考えた。それでも、返す方が失礼だろう。せめて大切に使うことで、彼のような人間を敬(うやま)いたい。
この前通販で新しく買い足したシルクのパジャマに着替え、すぐベッドに入った。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
今日は木曜日。この1週間も、まずまずの指名を獲っている。誕生日の日に来られなかった客から、プレゼントをもらったりもした。
勿論、同伴やアフターも順調に入っている。昨夜もアフターがあったから、昼近くに電話の着信音で目が覚めた。
表示を見ると、瀧澤から。
咳払いをしてから、急いで出る。
「もしもし。梨香です」
普段、自分からは名乗らない。だが瀧澤には自然に名乗ってしまった。
「あっ、起きてたかな?」
「はい」
寝起きだとは言わない。
「良かったら、なんだけど……。また、食事に行かない? 今日か明日……。ダメかな? 勿論、お店にも行くから……」
「今日、大丈夫です」
珍しく、同伴が入っていなくて良かった。
「良かった……。何が、食べたい? 行きたい店とか、ある?」
一瞬考えてから、素直に言ってみる。
「居酒屋がいいです」
「僕は、お洒落な居酒屋なんて、解らないよ?」
「普通の居酒屋で。チェーン店とかでも」
瀧澤が、少し黙ってしまう。
「よく行く所は、オジサン連中ばかりの店だよ?」
「そこがいいです。連れてってください」
電話で笑顔は見えないから、大袈裟なくらい嬉しそうな声で言った。
「梨香ちゃん、19歳、だよね……。まあ、いいか……」
瀧澤も、嬉しそうに笑っている声。
「その店、17時からなんだけど。お店、大丈夫?」
「はい。遅刻でも、休んでも平気です」
2人で笑い、駅前に16時半と、待ち合わせを決めた。
「じゃあ、楽しみに、してるから……」
「はいっ!」