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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第6章 新たな試練
少しすると、黒服にサングラスの男がいきなり入って来る。
「な、に……?」
ベッドに起き上がったまま、男を見つめた。
「これが、10日分の下着や着替えだ」
「10日、分……?」
「オークションは10日後だ。それまで、せいぜい体を磨いておけ」
そんなに長く、この部屋にいなくてはならないなんて。
「私のバッグ、返してくださいっ!」
「着ている服以外の、私物は持ち込めない。預かってるから、心配するな」
「お願い返して! 大切な物なの!」
ベッドから降りて頭を下げたが、男は行ってしまう。
「例外は無い。お前は、ゼロからやり直す身だ」
ゼロ。
今の私には、あのバッグを持つ権利も無いという意味。
愕然として、床に座り込んで泣いた。
どこから、歯車が狂ったのだろう。私は、夜遊びをしていただけの中学生だったのに。
いつしか客と寝ることに慣れ、エスカレートしていった。
瀧澤の優しさに触れ、まともになろうと思った時はもう既に遅く、自ら底なし沼にはまって行ったよう。
そして、もう戻れない場所まで来てしまった。
今更悔やんでも、遅すぎる。
またベッドに転がり、深い溜息をついた。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
やっと10日が経ち、昼食の後黒服が入ってくる。
「3番梨香。服を脱いで、これに入れろ。靴はまだ、そのままでいい」
ベッドに投げられた袋には、3番と書いてあった。
「はい……」
この10日間で精神的に疲れ切っていた私は、言われた通りに服を脱いだ。
「下着も、全部だぞ」
「はい……」
どんな抵抗も出来ない。それは、この10日間で解ったこと。
素直に全裸になり、全てを袋に入れた。
「一緒に来い。本番だ」
これから、オークションなのだろう。
無機質な廊下。黒服の後を、黙って着いて行く。
「靴も袋に入れて、この部屋に入れ」
「はい……」
ドアを入ると、2人の女の子がいた。やはり全裸だったが、バスタオルを羽織っている。私もバスタオルを渡されると、黒服は出て行った。
またすぐに、泣きながらの女の子が入ってくる。その子はワンピースを着ていたが、白いオーガンジー製で、全裸が透けて見えていた。
それなら、全裸でも同じだ。
10人ほどが集まると、髪をまとめたスーツの女性が入ってきた。