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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第1章  学生からの旅立ち


 連れて行かれたのは、2人で来ている客の席。
 その後もいくつか指名が入ったのは、今までの顔見せのお蔭だろう。
 この店に美人は多くても、可愛らしいタイプが殆どいないから、そのキャラでいくのがいい。
 指名料だけは週末払いで、私は新しい靴を買う金を手に出来た。
 それでも、やはり生活費が足りない。新しい可愛い服や靴なども、もっと必要だった。
 考えた結果、30万円をバンスすることに。これくらいなら、すぐ返せる。支配人に相談すると、6回払いにしてもらえた。
 今日は、初めての同伴。
 夕方から会い食事をして、その後一緒に店に行く。それだけ。
 そのためには、普段着も必要。店で着る服はみんなも更衣室に置いてあるから、着いてから着替えればいい。
 待ち合わせの16時に、駅前で客の車へ乗る。
 凄く明るくて、楽しい人。数人で来ていた中の1人だ。
 車の中でも色々と話していると、多少遠い道のりも全く苦にならない。
 高級店で寿司を堪能したが、まだ出勤まで時間がある。同伴の場合、22時までに入れば遅刻にならない。その上、いなかった間の時給も出る。それに指名料が入り、売り上げも付く。
 上手くやれば、凄く儲かる。
「この後、少し呑もうか」
「はい」
 素直に、可愛く返事をする。
 このキャラにも、すっかり慣れた。可愛らしくさえしていれば、勝手に指名が入ってくる。
 暫く車が走り、外の景色に目をやるとラブホ街。抜け道なのかと思っていたら、客はその一軒に車を入れた。
「えっ?」
「店には、22時までに連れて行くから。ねっ」
 客も、同伴の仕組みを知っているよう。
「イヤ!」
 言ったが、腕を掴まれてしまった。
「みんなしてることなんだから。あの店はね」
 そう言われ、体の力が抜けてしまう。
 みんな? あの店は?
 呆然としている間に、エレベーターに載せられていた。
「あの店はって、どういう意味ですか?」
「知らないで、あの店で働いてるの?」
 笑いながらの客に手を引かれ、部屋に入れられる。
「若いから、初めての水商売か……。梨香ちゃん、18歳になってないよね?」
 何も言えなくなってしまう。
 もし店にバレたら、首になるかもしれない。寮も追い出される。


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