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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第7章 蘇る感情
持っていた衣類は全て黄ばみ、もう着られない。
「僕のパジャマで、良かったら、出しとくから。下、着は、無いけど……」
「ありがとうございます……」
風呂の用意をしに行った瀧澤が、少しして戻ってくる。
「もういいよ。こっちだよ」
彼に着いて行くと、脱衣所兼用の広い洗面所へ案内された。
洗濯機や乾燥機もあり、カゴには少し衣類が入っている。タオルやパジャマの場所を教えると、彼は急ぐように出て行った。
鏡を見ると、泣きすぎて目が赤く腫れぼったい。
服を脱ぎ、浴室へ入った。
頭からシャワーを浴び、声を押し殺して泣く。
心のどこかでは、瀧澤の優しさを求めていた。だが実際にそれに触れると、自分が余計汚い人間に思えてならなかった。
それでも、過去は変えられない。忘れるしかないと解っていても、やはりすぐには無理だった。
昨日が屋敷での最終日。お別れだからと、昼間ご主人様に何度もイかされた。
それから1日経っただけの今、瀧澤の家にいる。
体だけでなく、心まで汚れたように感じてしまう。
彼を利用しようとは思っていない。最初は、ただ一目見たかっただけ。だが見た瞬間、5年前の私に戻ってしまった。
男物のシャンプーとボディーソープを使い、深い汚れを落とすように全身を洗う。表面の汚れは無いが、自分がそうしたかった。
少しだけ湯船に浸かり、体を軽く拭いてから脱衣所に戻る。
全裸の自分を鏡で見ると、5年前より少し痩せ、もうあの頃の、17歳の顔ではない。
来月には、22歳になる。
体を綺麗に拭き、全裸のまま彼のパジャマを着た。柔軟剤のいい香りがする。
やはり大きすぎて、夏用の半袖なのに袖が肘より下になってしまう。
長い髪を拭くためのバスタオルを肩に掛けたまま、リビングへ戻った。
「そう言うのって、何だか、可愛いね。いや……。ヘンな、意味じゃ、無くて……。あっ、ビール持ってくるよ。僕も、シャワー浴びてくるから。先に、呑んでて」
そう言って缶ビール数本とグラスを出すと、瀧澤は浴室へ行く。
先に呑むのも悪い気がして、彼を待つことにした。