この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第7章  蘇る感情


 静かにドアを開けると、かなり広い部屋。その端に置かれたベッドで、瀧澤は眠っている。頭の方にある低い棚の上には、光量(こうりょう)を抑えたスタンド。
「ん……」
 ドアを開けたせいで廊下の灯りが差し込み、彼が上体を起こす。
「どうか、したの? 気持ち、悪い?」
 私はドアを閉め、無言のままベッドに寝ると、瀧澤にしがみついた。
「梨香ちゃん?」
 驚いていた彼が、何も言わないまま、静かに私を包み込んでくれる。
 胸に顔を着けると、温もりを感じた。
 顔を上げ、瀧澤を見つめる。
 彼は安心させるような笑顔で見つめ返し、頭を撫でられた。
「このままで、いいよ。寝なさい?」
 彼は私に好意を持っているだけで、それは愛情ではないのだろうか。
 女性からこうしてベッドに入って来たのに、抱こうとはしない。パジャマだけで、下着を着けていないことも解っているのに。
 複雑な思いを感じながら、私は目を閉じた。


 ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆


 目が覚めると、ベッドに瀧澤の姿は無い。
 シワになったパジャマのまま、階下へ行った。
「あ、おはよう。ゆっくり眠れた?」
「はい……」
「昨日の、あの……。下、着だけ、洗って、乾燥中、だから。ごめんね。勝手に……」
 首を振る。
 着られる下着は、身に着けていたものだけ。服は古いが、クリーニングに出す素材。
「会社は……」
「今日は、土曜だよ。会社は休み」
 大手なら、週休二日制だろう。私は自由になれる日付だけを気にし、曜日は見ていなかった。
 電子音が聞こえ、瀧澤が洗面所の方を見る。
「乾燥が、終わったよ。悪いけど、自分で、出してくれる? 着た方が、いいと思うし……」
「はい……」
 洗面所のドアが開けてあったのは、リビングまで音が聞こえるようにだろう。
 ドアを閉め、乾燥機から下着を取り出す。少し振って、熱を取ってから身に着けた。そして、畳んでおいた元の服も着る。
 新しい服を、何着か買わなければ。ブランドなど関係ない。今は、安ければ安いほどいい。
 まだ5百万の殆どは残っているが、先のことを考えて、大切に使わなければ。
 リビングに戻ると、いい香りがしている。
「もうすぐコーヒーが出来るから、座ってて?」
「私が、やります」


/115ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ