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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第7章 蘇る感情
そう言って傍に行ったが、コーヒーメーカーは最新式らしい。使い方が解らなかった。
「大丈夫。あ、もう出来たから。持って行くから、座ってて?」
「はい。すいません……」
屋敷に5年勤めても、主な仕事は、ご主人様とのセックス。料理さえしていないから、忘れかけている。
運んでくれたコーヒーを飲み終え、立ち上がった。
「お世話になりました」
「帰るの? どこに、住んでるの? 今、仕事は?」
「何も、ありません。これから、探します……」
瀧澤が近付いて来て、私の両肩を押し下げて座らせる。
「約束したよね? マンションを、無料で貸すって」
「でも……」
そこまで甘えては、申し訳ない。
彼もいつかは、結婚する時が来る。こんなに優しい人なのだから。恋人が出来ただけでも、私の存在は邪魔になってしまう。
「申し訳ないから……」
「そんなこと、ないよ。あっ。マンションが、嫌だったら、この家の、住み込みの、家政婦をしない? 僕は平日、仕事だから。給料も、きちんと出すし。ねっ」
私を引き留めようと必死なのが、何故だか解らない。好きだと思うなら、昨夜、何故抱かなかったのだろう。
優しい以外に、瀧澤のことが解らなくなる。
「どうしても、嫌なら、無理にとは、言わないけど……。あ、恋人に、怒られるかな……」
「そんな人は、いません」
それだけは、はっきりと伝えたかった。
私が好きなのは、瀧澤。だが、叶わぬ恋だと解っている。
15歳から水商売をし、簡単な手紙だけでいなくなってしまうような女性だ。彼には、もっと素敵な相手が似合う。
「だったら、家政婦を。平日忙しいから、洗濯もよく溜まるんだ」
「私。料理も、掃除も、全然出来ませんから」
「段々と、覚えて行けばいいよ。ゆっくりでも。ねっ」
その後も瀧澤に押され、結局、住み込みの家政婦になることが決まってしまった。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
土曜日は家電の使い方を教わり、食事は全てデリバリー。日曜は、一緒に買い物に出かけることに。
私の部屋は、酔って運ばれた所に決まる。
キャリーバッグを持ち込み、買い物があるから、財布の中を合計20万にしておいた。