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第32章 そして、運命の人が

リキの一言で長い長い長い片思いが終わった。
完全に終わった。もう気持ちは全く全く全っっったくない。

一時は、どんなに貧しくても、もしもＤＶでも、浮気をされても許せる。結婚できなくてもいい、近くに居れればそれでいい。とさえ思った相手。でも一言で完全に冷めた。ずっと諦めきれなかったのに、不思議とサッパリした気分だった

今度こそ一人で生きていくんだ。

チー師匠に連絡した。リキの一言とその後の話をする

「チーちゃん、師匠の教え『ホテル代は出さない』を破っちゃったよ」

「今回はいいんじゃない？私が許す！でもその場でブチ切れなかったのが意外！」

「正直、体がフリーズしました」

「でも、もともと実らない恋だったもん。良かったんじゃない？」

「良かったのかな？」

「良かったのよ。今度こそ幸せにならないとね」

「もう恋も愛もいいです。本当に一人で生きていきます」

「意外と身近にいるかもよ？」

「今の所、思い当たらないです～」

「ま、暫くはそんな感じでいいんじゃない？ウチにも遊びにおいでね^^　父もアキちゃんも待ってる」

「またオジャマします」

１８で出会って１０年余り、ずっと師匠でいてくれるチーちゃんの言う通り、幸せになりたい。心底そう思った