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セックスと愛とフレグランス
第5章 人魚
スーツ姿で黒縁の眼鏡を掛けた彼女は事務用品が全くない不自然なオフィスにいた。
ファイルを手に持ち、レンズに向かって意味深な視線を投げかけている。
次に、ゆっくりとスーツを脱ぎ始めると下着姿になった。
彼女の年齢は智広より若干上に見えた。
おそらく三十代の後半辺りだろうと予想する。
「初めて会った時から虜になっちゃって頻繁に通ってるんだよ」髭の男は、ひひっと卑下た笑い声を上げた。
はあ、と智広が適当な相槌を打つと髭の男は名を名乗った。