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セックスと愛とフレグランス
第8章 とまどい
目を見開きもう一度耳を壁に当てる。
今度は「ふふっ」という愛先輩の甘い笑い声が聞こえてくる。
映画を観て笑っているようには聞こえなかった。
たぶん兄の孝介が映画を鑑賞しながら愛先輩にちょっかいを出しているに違いない。
たぶん彼は映画鑑賞を口実にして愛先輩をどうにかしようと目論んだのだろう。
歯がぎりぎりと音を立てた。
この時ほど兄を憎いと思ったことはない。
今すぐ部屋を飛び出し、隣室に駆け込んで孝介の顔面を殴り倒してやりたかった。
でも、兄はもちろんのこと愛先輩ですら、そんなことは望んでいないだろう。
彼女は自ら勧んで孝介の部屋に入ったのだから――。
今度は「ふふっ」という愛先輩の甘い笑い声が聞こえてくる。
映画を観て笑っているようには聞こえなかった。
たぶん兄の孝介が映画を鑑賞しながら愛先輩にちょっかいを出しているに違いない。
たぶん彼は映画鑑賞を口実にして愛先輩をどうにかしようと目論んだのだろう。
歯がぎりぎりと音を立てた。
この時ほど兄を憎いと思ったことはない。
今すぐ部屋を飛び出し、隣室に駆け込んで孝介の顔面を殴り倒してやりたかった。
でも、兄はもちろんのこと愛先輩ですら、そんなことは望んでいないだろう。
彼女は自ら勧んで孝介の部屋に入ったのだから――。