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セックスと愛とフレグランス
第9章 泡姫
なぜか智広の口からは、すいません、という謝罪の言葉がこぼれていた。
「どうして智広くんが謝るのよ?」掌を口元に当てた愛先輩は、ふふっと含み笑いをする。「でも、お兄さんはどうして音楽を辞めたの? まだ若いから夢を諦めるには早い気がするんだけど」
愛先輩は兄のことを「孝介」ではなく「お兄さん」と呼んだ。
孝介と名前を聞いた智広の微妙な感情の変化を感じ取ったのだろうか?
色々事情がありまして、と言葉を濁した。
孝介がバンドを辞めた理由を説明するには、彼の人生の重要な決断を説明しなければならないからだ。
すると突然、愛先輩が核心に触れた。
「どうして智広くんが謝るのよ?」掌を口元に当てた愛先輩は、ふふっと含み笑いをする。「でも、お兄さんはどうして音楽を辞めたの? まだ若いから夢を諦めるには早い気がするんだけど」
愛先輩は兄のことを「孝介」ではなく「お兄さん」と呼んだ。
孝介と名前を聞いた智広の微妙な感情の変化を感じ取ったのだろうか?
色々事情がありまして、と言葉を濁した。
孝介がバンドを辞めた理由を説明するには、彼の人生の重要な決断を説明しなければならないからだ。
すると突然、愛先輩が核心に触れた。