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セックスと愛とフレグランス
第9章 泡姫
「孝介くんって、今彼女とかいるの?」
智広の隣に座る愛先輩は、自分と顔を合わせようとはせず正面を向いたままだった。
その横顔は、平静を装っているが、兄の近況を聞きたくてしょうがない表情に見える。
仕事や健康のことはもちろん知りたいのかもしれないが、彼女がもっとも聞きたいことは間違いなく兄の女性関係だろうと想像する。
「付き合ってる彼女は……いないと思います」
その瞬間、愛先輩の微かなため息が聞こえたのは気のせいか。
ただ、そのため息の意味は智広には理解できない。
たぶん孝介と愛先輩の二人にしかわからない事情があるのだろう。
智広の隣に座る愛先輩は、自分と顔を合わせようとはせず正面を向いたままだった。
その横顔は、平静を装っているが、兄の近況を聞きたくてしょうがない表情に見える。
仕事や健康のことはもちろん知りたいのかもしれないが、彼女がもっとも聞きたいことは間違いなく兄の女性関係だろうと想像する。
「付き合ってる彼女は……いないと思います」
その瞬間、愛先輩の微かなため息が聞こえたのは気のせいか。
ただ、そのため息の意味は智広には理解できない。
たぶん孝介と愛先輩の二人にしかわからない事情があるのだろう。