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セックスと愛とフレグランス
第9章 泡姫
次にカウンターへ移動すると何かをつぶやき小窓の向こうに座る人物に現金を支払う。

ここまで智広は、彼女から何かを聞かれたことはないし、逆に智広から尋ねることもせず、ただ彼女の誘導に従ったのだ。

エレベータで三階まで上がり、薄暗い廊下を抜け予約した部屋に入室した。

初めてのラブホテル体験に戸惑うばかりの智広は、一言も言葉を発することなく都築愛子の背中を追ったのだ。

オレンジ色の間接照明に照らされた室内は想像していたよりも広い印象を受けた。

入室する前は、ベッドとテーブルで部屋の大半を占めるビジネスホテルのような空間を想像していたのだ。

ただ、建物が古いせいか部屋の内装も古ぼけた雰囲気だった。
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