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セックスと愛とフレグランス
第10章 フレグランス
本当にこんなことをしていいのだろうか――

もちろん智広は、今でも愛先輩へ思いを強く抱いている。

ただ、仮にも彼女は兄の恋人なのだ。

彼女とキスをしたことが孝介に知れたら、それこそ浦田家にはもういられなくなる。

あらゆる感情が智広の心や頭の中でうごめいていたが、愛先輩の行動に抗うことがどうしてもできなかった。

彼女に対する「好き」とう感情が拒絶することを拒んでいるのだ。

ふいに智広の唇に愛先輩の唇が押し当てられた。

その瞬間、智広の呼吸が停止する。瞼を閉じながら彼女から漂ってくる香りと柔らかい唇を感じた。

自らの脳が愛先輩を意識したとたん、股間に熱を帯びた。間違いなく陰茎がいきり勃っているに違いない。

今にも暴発してしまうのではないかと心配になるほどだった。
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