この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セックスと愛とフレグランス
第10章 フレグランス
「智広くんがご両親とフランスへ行ったことは孝介くんから聞いて知ってたけど、もしかして旅行へ行った目的ってこれだったの? わざわざあたしのためにシャネルを買ってきてくれたの?」
突然、我に返ったような素振りを見せた愛先輩は胸元のボタンをすばやく留めていく。
だが彼女は、思い詰めたようにじっとその体勢から動かずにいた。
いや、動けなかったのかもしれない。
彼女の表情からは、その胸の内を推し量ることは、智広にはできそうになかった。
「愛先輩、どうかしたんですか?」
たまらずそう尋ねた智広に愛先輩は何も答えず虚空を見つめるだけだった。
「ごめん、もう帰るね」
突然、我に返ったような素振りを見せた愛先輩は胸元のボタンをすばやく留めていく。
だが彼女は、思い詰めたようにじっとその体勢から動かずにいた。
いや、動けなかったのかもしれない。
彼女の表情からは、その胸の内を推し量ることは、智広にはできそうになかった。
「愛先輩、どうかしたんですか?」
たまらずそう尋ねた智広に愛先輩は何も答えず虚空を見つめるだけだった。
「ごめん、もう帰るね」