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悦楽にて成仏して頂きます
第13章 陰陽師
このまま、どこかへ落ちて行きそう。深い、深い場所へ。
そんな感覚。
「あっ、あぁっ、ヤぁっ、んんっ、イくぅっ! んんっ……」
もう頭の中は真っ白。指一本動かせない。ただ私がイった時に、彼がまた顔へ射精したのだけは解った。
「んっ……」
少しだけ、意識を失っていたようだ。
目を開けると、私は自由になっていた。バイブも抜かれている。
「え……。はぁっ……」
「楓さん。ありがとう。ずっと、こういうプレイがしたかったんだ。どこか、痛くない?」
拘束も、肌に触れる部分は、柔らかい皮で出来ている。秘蕾の中とクリトリスは少しヒリヒリするが、少しすれば落ち着くだろう。
「あなたは、しなくて、いいの?」
「え? たっぷり、させてもらったよ。こんなプレイ、相手がいなかったから……」
笑顔の彼が、白い光に包まれる。
「行かなくちゃ。本当に、ありがとう」
彼はベッドから降り、白装束を着た。
私は全裸のまま、ベッドの上で正座して手を合わせる。
特別な呪文などは知らないし、必要ない。ただ彼が成仏するのを、祈るだけ。
少しして霊の気配が消え、私は目を開けた。
彼の姿はもうない。
SMのようなプレイはきつかったが、痛みは無いし彼の役に立ったのならいい。
琥珀は出番がなかったせいか、大きな欠伸をしている。
私は他の道具を片付け、使ったバイブを持って浴室へ行った。
機械の部分を濡らさないように、バイブをボディーソープで洗う。
太ももに固定出来るバイブなんて、響揮に文句を言ってやりたい。でも何か言えば、使ったのがバレてしまう。それも恥ずかしい。
体も洗い脱衣所でバスローブを着ると、響揮の声が聞こえる。私を呼んでいるようだ。
私は、洗ったバイブを持ったまま。もう少し遅く戻ってくれば、引き出しに入れられたのに。
「楓? 着替えたか?」
「う、うん」
一応バスローブは着ている。
いきなり脱衣所のドアが開き、響揮が顔を出す。
「大丈夫だったか。あっ、ソレのせいか」
私はバイブを持ったまま。見られたからには、今更隠しても無駄だろう。
「お前の意識が途切れたから。何かあったのかと思って。なーんだ」
もう少し、心配してくれてもいいのに。