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第1章 愛徳の祈り

意地悪く笑いながら俺を見たアンディ。

『カトリック信者の家庭で育ったからね。
毎週礼拝にも参加してたよ』

『そうだったのか？
信仰してるようには見えなかったよ』

『小さい頃の話だからね』

そんな事を話しているうちに
礼拝堂の中は人で埋まっていき
聖歌隊が現れた。

静かにはじまるパイプオルガンの音
俺達の荒んだ心を清く正しく美しく
透き通るような歌声が響いていった。

久しく待ちにし

彼女達の歌う賛美歌だ。
旧約聖書イザヤ書第7章14節にある
預言をもとに作詞されたその曲は
新約・旧約ともに
救い主イエスの誕生を描いた讃美歌。

「見よ、おとめがみごもって男の子を産み、
その名はインマヌエルと呼ぶ」