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Maria
第2章 希望の祈り


いつものように
朝から油と煤にまみれ仕事をこなす。

浮かんでは消えるマリアの横顔。
頬を流れ落ちる涙の筋でさえ
輝いて見えて俺には眩しすぎた。

彼女は何故涙を流したのだろう?

優しく照れたように微笑んだ目は
心の中を見透かされているようで
不快感とも高揚感とも取れる
不思議な感覚が身体を走り抜けた。

マリアと会ってから1週間も経つのに
鮮明に憶う彼女の涼やかな声。

『こんにちはー。』

そう…こんな風に軽やかに…

『誰か居ませんかー?』

俺はハッとして
自動車の下から這い出る。

『はい!どうしましたか!?』

『きゃあっ!やだっ
そんな所にいらしたの?』

『すみません修理中だったもので…』
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