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Maria
第2章 希望の祈り


俺は腰に結んでいたタオルで
手を拭きながら声の主の元へ行く。

『ごめんなさい。忙しいかしら?』

『いえいえ大丈夫ですよ』

アンディは何処へ行ったんだ?
キョロキョロと見渡してみるが彼の姿はない

声の主に目線を戻す。
栗色の長い髪はふわふわと巻かれていた。
花柄のピンクの可愛いらしいワンピース。
少し幼さの残る彼女は長い睫毛を
伏せながら髪を手櫛でかきあげた。

『実は…父の車をぶつけてしまって…
内密に直して貰いたいんです…。』

『そう…ですか…で?車は何処に?』

『家のガレージに傷が見えないように
入れてあります。』

『…なるほど』

まぁこの手の相談は無くもない。
両親に叱られたくないのだ。
免許を取ったばかりの若者によくある。
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